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むち打ちの検査 基本はレントゲンとMRI?

むち打ちで病院に行くと、まずレントゲンを撮られることになるのが一般的です。

レントゲンの結果「異常なし」と診断されて結果「単なる頚椎捻挫」とされることが多いのですが、
これは極めて不適切な診察です。

レントゲンというのは主に骨変、つまり骨折などがないかを確認するものであり、
首の骨が折れていないであろうことくらい症状を診れば大体わかっていますから、
レントゲンの結果を見てむち打ちの病態を判断するなど、茶番と言って良いくらい無意味なことです。

むち打ちの場合のレントゲンは「一応」、「念のため」という目的で撮影するのと、
骨棘やストレートネックなどの元々の素因を調べるのが目的で、
仮に元々の素因に原因があったとしても、それに加えて事故の外傷によって症状が生じているわけですから、
その場合でもそれで原因特定が完了したわけではないのです。


レントゲンは主に骨を見るもので、軟部組織は写りもしないのです。
むち打ちの場合に原因となるのは主に椎間板で、
これは軟骨ですからレントゲンではなくMRIで確認する必要があります。


MRIでどこまでわかるのか

では、MRIを撮って異常なければ本当に異常なしなのか、これがむち打ち患者にとっての大きな課題となります。

自覚症状としては明らかに神経症状が出ているのにMRIでは異常なし、
そのため医師も「気の問題」等の捉え方をすることが少なくありません。

これによってむち打ち被害者は賠償上非常に窮地に立たされることになり、
職場や家庭でも不穏な空気を感じることになるケースもあります。

医師が何ともないと診断しているのに・・・という周囲の冷たい目に晒されて、
本当に「心因性」の病を抱えることになっては二重被害です。
これを防ぐためには患者自身が正しい認識を持って気を確かにしておかなければなりません。


まず、一口に『MRI』と言っても、その設備には性能の違いがあります。
最新式のものでは3.0テスラの性能を誇り、かなり鮮明に椎間板等を映し出すことが出来ます。
3.0テスラまで行かないにしても1.5テスラの性能であれば、設備の性能上は特に問題ないと言えるでしょう。

次に、撮影方法によって、異常が見つかる見つからないが決まります。

例えば首のMRIの撮影方法には軸位断、矢状断、冠状断などの撮影方法がありますが、
多くの場合は首の中心部分の矢状断で撮影されているものと思います。
矢状断とは首を横から見た断面での撮影、冠状断は前後からの断面、
軸位断はいわゆる輪切り面ということになります。

首の中心部分の矢状断で判別できるのは、椎間板の突出が脊髄を明らかに圧迫している場合です。

はっきり言って、街医者に置いてある精度の低いMRIで
中心部分の矢状断で「異常あり」と容易に診断できるような状態であれば、
既に四肢麻痺が起こっているか、それに近い症状が出ているはずです。
そんな状態であれば、事故時は頚部をガッチリ固定した状態で救急搬送されていたはずです。

手足に痺れがある程度の神経根性のむち打ち患者の場合、
圧迫されているであろう神経は脊髄ではなく神経根ですから、
首を中心でスライスした矢状断では、異常があたっとしてもそれを捉えられるものではないのです。
軸位断(輪切り)で撮影されている場合でも、首の骨は7個あるわけですから、
どの辺りの高さでスライス撮影するか、その「見立て」次第で異常が見つかるかどうかが決まるわけで、
通常、神経根の圧迫をMRIで確実に捉えることは、かなり難しいのであって、
医師側の認識としても概ね「神経根の圧迫はMRIでは判別できない」というのが一般的です。


MRIで結論付ける前に

では、どのようにすれば神経根の圧迫状態を確認できるのでしょうか。

例えば首の6番目の神経根が圧迫されていれば、6番目の神経根から出て向かう先の神経領域に影響が出ます。

神経根から出た神経は、鎖骨下辺りの腕神経叢で分岐・結合を繰り返して指先へと向かいます。
そのため、仮に神経根の一つが完全に途切れたとしても、
その先の神経への信号が完全に途絶えることはありません。
例えば6番目の神経根から出た神経は、5番目や7番目の神経根から出た神経とも分岐・結合が行われますから、
神経根の損傷では、その先の神経の支配領域に完全な麻痺症状は出ません。
信号の到達が不十分になるため、筋力の低下や痛み・痺れといった症状を引き起こすことになります。

例えば6番目の神経根の向かう先は、橈骨神経領域がメインとなります。
末端で言えば親指から人差し指がメインになります。筋肉で言えば上腕二頭筋や手関節の背屈筋になります。
親指や人差し指の痺れが酷いとか、上腕二頭筋の筋力低下が顕著な場合、
主に6番目の神経根に圧迫があるのかな?という想像が働くことになります。
薬指や小指の痺れが酷い場合は8番目かな?ということになります。

ですからMRIを過信して結論付けを行う前に、まずは患者自身の自覚症状をもとに、
「どの辺りの神経根に異常があると想像されるのか」を特定し、
想像される部位を特定の上でMRI撮影を行うことで、
同じMRI撮影をするにしても、その結果はまた違ったものになるのです。


最近では西洋医学の世界では「エビデンスに基づく診断」が叫ばれ、
曖昧な診断ではなく「根拠ある診断」が理想とされているという背景もあって、
画像診断ありきの姿勢の強い医師が目立ちます。

しかし、はっきり言って画像診断自体も医師のスキルによって左右されることが多く、
現実問題としては画像診断ありきでは適切な診断は困難なのです。

自覚症状は「詐病」が可能なことから結論付けるための根拠にはなり得ませんが、
少なくとも患者自身にとっては自覚症状が最も信頼できる所見なのですから、
自覚症状が虚偽のものでない限り、医師の「異常なし」という無責任な診断に惑わされることなく、
確信をもって診療に臨んで欲しいと思います。

画像診断のみで「異常なし」と結論付ける医師ははっきり言って「ヤブ医者」なのです。
ヤブ医者に権利を奪われることのないようにしなければなりません。


ただ、交通事故患者というのは医師にとって「賠償の絡む面倒な患者」であることは確かです。
「異常なし」と診断するのは、医師としてのスキル不足という一面だけでなく、
医師が「関わりたくない」という心境によるものであることも否定できません。
むしろこちらのケースのほうが多いと言えます。

この部分については「大多数の整形外科医が同様」であると思ったほうが良く、
安易に今の主治医を見限って転院を繰り返しても、
結局どの医師も同じような扱いしかしてくれないということが起こり得ます。
この部分は医師個人の人間性の問題ではなく、医療現場全体の問題として捉えたほうが良いので、
過剰に医師個人に不満を抱えるとかえって被害者としての権利を失うことに繋がります。
独力での対応には限界がありますので、必要に応じて専門家を頼ることも検討しなければなりません。
賠償に関して専門家を頼るべき部分についてまで、医師にそれを求めるということであれば、
それは医師の問題ではなく患者自身の問題ということになります。
医師は医学の専門家ではありますが、賠償つまり法律の専門家ではないのです。
賠償部分を適切に扱われるためには、医学だけでなく法律部分の診断も必要なのです。
正当に診療が受けられない患者の多くは、賠償部分まで医師に頼っている傾向があります。
これは患者側の問題です。賠償部分は医師を頼るのではなく自分で対処しなければなりません。
力不足を感じるなら、頼るべきは医師ではなく法律家になります。

「ヘルニアは事故によるものですか?」「診断名に『外傷性』と付けてください。」
これらは医師に決して言ってはならないセリフです。
この部分を間違う被害者は権利を失います。


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